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痛みのおはなし

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「なぜ痛みがとれるのか?」細胞の中の電気のおはなし

 

私たちの細胞は電気を持っているのですが、細胞の内側はマイナス電位で、外側はプラス電位であると言われています。これを「膜電位」といいます。細胞の内側にはカリウムイオンやタンパク分子、外側にはナトリウムイオンやクロールイオンが多いのですが、これらのイオンの濃度によって、細胞の中と外にプラスとマイナスの電位が発生しているのです。生体活動によって、活発に細胞の活動が行われています。たとえば、神経細胞に刺激を与えると細胞が興奮し、カリウムイオンが細胞の中から飛び出し、ナトリウムイオンが中に入り込み、細胞の内側が正電位に逆転します。これを「膜の興奮」と言います。このときに刺激の量を増やしていくと、刺激によって興奮状態にある細胞の逆転した電位が大きくなり一定の量を超えると、痛みに電気信号を脳に伝達しがじめるのです。

たとえば膝の場合、滑膜の炎症などにより細胞が傷ついたり、刺激を受けて細胞の電位が逆転(膜の興奮)すると、当然細胞膜の内外に大きな電位差が発生します。膝が痛いというのは、膝の筋肉や滑膜に炎症があり、炎症によって細胞が興奮状態にあるということです。細胞の内側と外側にプラス電位とマイナス電位の逆転した状態があり、そのような状態の時に、歩いたり動いたりして刺激が最大になって痛みを発生させているのです。
このような神経細胞が興奮状態にあるとき、その真上の皮膚にこの器具を貼ると、この器具は細胞の膜電位により大きな電位をもっていますから、膜電位の逆転を瞬時に解消します。すると痛みは消えます。

この器具を貼って痛みが取れないという時は、細胞の興奮状態が広い範囲にわたっていて、わずかな数個の器具ではカバーしきれていないということです。痛みが発生している患部とその周辺を、指で丹念に押してみて「圧痛点(押すと痛いと感じるポイント)」をたくさん探し出して、そこにはこの器具を貼るということが必要になります。数多く貼ることで、細胞の興奮は抑えられ痛みは消えることになります。

さて、このようにして、この器具を貼って痛みが取れた時、短時間で外せばまた細胞を興奮状態に戻ります。患部の炎症などの程度にもよりますが、かなりの時間(5〜8時間)貼っておけば、その間は正常な状態を維持したことになりますから、直ちに興奮状態には戻らなくなります。そして60日〜90日程度続ければ、炎症もない正常な細胞だけになるということになります。

痛みが発生する仕組み

痛みがとれる仕組み